共生のための文京地域支援フォーラム

  第18回共生のための文京地域支援フォーラム

「こころ支える地域を目指して~ある方の生活を通して~」Zoomで参加しました。

このフォーラムは、2012年の過去の事例から、出発しました。私は、こうした勉強や交流は繰り返し行うべきと思っています。改めて障がい者権利協約、障がい者基本法などを学びました。

そのうえでインクルーシブ教育の必要性を実感しました。   

2012年7月13日、浅田やすおのブログです。そのままです。  

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現在、文京区小石川に障がい者施設整備計画が計画されています。概要は下記のようになっています。

 【計画趣旨】

 東京都の「都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業」と、文京区の「障害者の地域生活基盤の確保」が連携して計画されたものです。 【施設の概要】

 ・生活介護(通所施設) 定員20名程度

 軽作業等の生産活動や創作活動の機会の提供。

 ・就労移行支援(通所施設)定員8名程度

 就労を希望する障害者に必要な訓練の提供。

 ・共同生活援助(グループホーム)・共同生活介護(ケアホーム) 定員10名

 介護や日常生活の支援を受けながら生活する場。

 私の意見は、障害のある無しに関わらず誰もがこの文京区で生活したり訓練を受ける場が、新たに建設されることは大いに歓迎するものです。  この計画については、6回の住民への説明会が開催され、私は3回出席しました。 ところが、近隣住人の方から建設反対の声が上がっています。  説明会での、反対の内容が、あまりにも私にとって受け入れられない発言内容です。 皆さんも一緒に考えていただきたいと思います。 昔の記憶が蘇ってきたからです。

 説明会という公式の場で、施設建設反対を訴える方から次の意見が出されました。

 障がい者は、「奇声、うめき声を発する。窓も開けられない」

 「千葉県東金市で起きたような事件を起こす。起きた場合、行政はどのように責任をとるのか」 「危害を加える」「突然、手をつかまれ、怖い思いをした」

 「IQが低い。そのため事件を起こす」 施設が建設されると、「土地の資産価値が下がる」「行政による財産権の侵害」

 「文京区は地価が高く住めない人もいて、多へ引越している人もいる。障害者が優遇されることになる」

 「一部の障害者のためだけの特権になる」  とても、聞くに堪えない言葉が堂々と発せられています。 建設反対の理由は、障がい者への偏見と差別です。 これらの反対理由一つ一つがどれだけ障がい者の方々の心を傷つけているか、計り知れません。 どんなに健常な体であっても、老いてけば不自由な体になったり、認知症にもなります。 誰しもがお互いに理解しあうことが大切だと思います。 私は、これら一つひとつに反論しません。 ただ、この同じ社会に住む障がい者の人を理解する立場にたっていただきたい。 障がい者を知っていただきたい。 この点を強くお願いします。

  以下の内容は私の、経験と想いです。たぶん、私の生き方の原点だと思います。

 57歳の私は、岡山県総社市美袋の山間の村に生まれ育ちました。 

50年以上昔の話で正確さを欠いていますが、親によく聞かされた話と、私の記憶にしっかり残っている内容です。飾りはありません。 

私の生まれた家の隣に、チィちゃんと呼ばれていた、生まれつき障がいをもっている20歳前ぐらいの女性がいました。5人家族の1人で、障がいの程度とか、内容は分かりませんが、今思うと、知的の発達障がいではないかと思います。山間部では仕事があるわけでも無く、まして、障がい者が仕事に就けるわけではありません。毎日家にいました。  乳児の私の子守をお願いしたところ、毎朝、着物姿で私を迎えに来てくれて、おんぶして散歩に出かけたり遊んでくれたそうです。チィちゃんは、私のことを「やっちゃん!」と呼んでくれてとても可愛がってくれたそうです。幼い私も「チィちゃん、チィちゃん」と言っては甘えていました。このことははっきり覚えています。

  もう一つ鮮明に覚えていることがあります。乳児の私が、成長し、チィちゃんのおんぶを拒否したことです。朝、チィちゃんが、やっちゃんを迎えに来たとき、自分で歩きたかったのか「いらん!」と逃げました。そのとき、チィちゃんは、とても悲しそうにして、泣いていました。私は、何だかとても悪いことをしたような気がしたことと、チィちゃんの涙だけを覚えています。  

それから、少しして、チィちゃんの家族は引越し、風の便りで、チィちゃんは障がい者施設に入所したことを聞きました。その後、私が東京に出てきて、チィちゃんは亡くなったと私の兄から言われました。私にとってチィちゃんは、お姉ちゃんであり家族です。涙が出ました。 チィちゃんに何のお礼も、感謝の言葉も無いままに時間だけが過ぎています。 

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